風力発電のしくみを学習する教材　熱・エネルギー科学シリーズ

風力発電とは？

その名のとおり、風の力を利用して、電気を作り出す方法です。

地球環境にやさしい発電方法のひとつです。

風力発電機のしくみ

これから作る風力発電機は、とてもシンプルな構造になりますが、実際の風力発電機はもう少し複雑な仕組みになっています。

①「ブレード」

風を受けると回転する向きに力が発生する風車の羽根です。

②「ナセル」

発電機（発電用モーター）や倍速機などの入った部屋です。

③「発電機」

ブレード（プロペラ）の回転運動を電気のエネルギーに変換します。

④「ピッチ制御装置」

風速に合わせてブレード（プロペラ）の傾きを調整します。

⑤「倍速機」

ギアを使ってプロペラのゆっくりとした回転を速い速度に変えます。

⑥「ヨー制御装置」

風向きを合わせてナセルの向きを変えます。

⑦「風向/風速計」

風の向きや風の速さを測定する機械で、測定の結果を使って風力発電機を制御します。

プロペラが回る理由

風はプロペラの羽根にあたると、その表面に沿って流れていきます。

このとき、プロペラは風の流れが変わる向きとは反対方向に揚力という力を受けます。

この揚力は、すべての羽根でプロペラが同じ向きに回転するように働いています。

そのため、風があたるとくるくると回るのです。

風力発電機一台で、2500～5000軒の電気量をまかなうことができます。

そして　全世界で使われる電気量の　1/40を占めています。

風力発電以外の発電方法

自然を利用して作られる発電機は他にもあります。

■太陽の光を電気に変える　→　太陽光発電

■太陽の熱を電気に変える　→　太陽熱発電

■川の流れや、ダムに貯めた水が落ちる勢いを利用して電気に変える　→　水力発電

■地球の地下にある高温のマグマでできた水蒸気の勢いを利用して　電気に変える

　　　　　　　　　↓

　　　　　　地熱発電

発電時に有害な物質を出さない　環境にやさしい発電方法です。

●火力発電や原子力発電は同じように電気をつくることができますが、燃料を燃やした時にでる　二酸化炭素などのガス問題や　核分裂が起きたときに出る有害な物質の処理が問題になっています。

二酸化炭素が増えると、地球に熱がこもりやすくなり　気温が上がります。

また、硫黄酸化物や窒素酸化物が溶けた酸性雨が降ると、建物がとけたり、植物が枯れたりします。

風力発電機を作ってみよう

風力発電では　羽根の大きさや、形、枚数によって　同じ風が吹いていても発電できる電気の量が変わります。

ペットボトルの種類をかえたり　大きさや形のちがうプロペラをいくつか作って、比較してみましょう。

プロペラを付け替えて、LEDの点灯やプロペラの回転する速さを観察してください。

用意するもの

■500mlペットボトル

■カッター

■はさみ

■フェルトペン

■定規

１．ペットボトルにカッターで切り込みを入れます。

　　羽根の長さが７cmくらいになりようにあらかじめ定規で計り、目印をつけておきます。

２．切り込みを入れた位置から、はさみでペットボトルの上部を切り離します。

３．ペットボトルを立て、８等分になるように切り込みをいれ、羽根を作ります。

　※ペットボトルのキャップに８等分になるように線を書いておきましょう。

　　それを延長するようにペットボトルに線を書き、その線の上をはさみで切ります。

４．羽根を広げ、一枚ずつ根本から図の方向にねじります。

よく発電するプロペラは？

実験するとよくわかりましたか？

羽根は大きくなるほど、風から大きな力（揚力）を受けます。

また　重い羽根ほど　回るために大きな力が必要になります。

ですので　軽くて大きな羽根をもつプロペラが一番よく回ることがわかります。

風の強さにより　最適なプロペラのかたちがかわることも学べましたか？

口で吹くような一点に強くあたる風の場合は　小さくて軽いプロペラがよく回ります。

外の風のように　緩やかで広い範囲の風は、たくさんの風を受ける大きなプロペラがよく回ります。

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